■奄美群島■

 奄美群島は、鹿児島県本土と沖縄本島の間の海上、鹿児島県の西南端に位置する島嶼地域です。

 北から喜界島・奄美大島・加計呂麻島・請島・与路島・徳之島・沖永良部島・与論島の有人8島が点在し、群島全体の人口は約118千人(平成22年国勢調査)です。

 最大の島は奄美大島(面積712.52 k2)で、鹿児島県本土から約380km、首都圏から約1,300kmの距離にあります。

 奄美の気候は、四季を通じて温暖な海洋性亜熱帯気候で、毎年、夏から秋の終わりにかけて台風が襲来しますが、本土では見ることができない多くの動植物が生息する自然環境は、非常に貴重なものとなっています。

群島全体の主要な産業は、サトウキビ栽培の農業ですが、島ごとに白ゴマや馬鈴薯の栽培、仔牛の肥育、花卉栽培、柑橘類やトロピカルフルーツの果樹栽培も行われています。黒糖焼酎は奄美群島でしか製造されていないお酒です。

 奄美大島では、海から砂浜を経て、人の住む平地から山へつながる自然地形を活かした「島建て」といわれる集落の成り立ちが、固有の生活文化の原点といわれています。 


■魅力的な集落の景観■

奄美の集落を歩くと、何気ない路地や小さな広場、サンゴの石垣と家々の連なり、時折聞こえてくる生活の音といった普段の暮らしの風景に懐かしさを感じます。

そんな奄美の暮らしには、希少な動植物も生息している自然環境と隣り合って共存することで培われてきた智慧や工夫が見られます。

少し昔の日本では、どこにでもあった地域で暮らす人と人とのつながりが今も大切にされています。 

■特徴ある歴史と文化■

鹿児島と沖縄の間に位置する奄美の島々は、古くから大陸と琉球、薩摩と大和の交易の拠点でもありました。

奄美の時代区分は、 [奄美世/あまんゆ]、[按司世/あじんゆ]、[那覇世/なはんゆ(琉球王朝支配)]、[大和世/やまとんゆ(薩摩支配)]と呼ばれ、各時代、各地域の影響が、今日も年中行事や祭礼、島の方言や島唄、食文化といった生活の様々な場面で見られます。

■地域ならではの食■

奄美大島北部の郷土料理「鶏飯/けいはん」は、江戸時代、薩摩の役人をもてなすために考えられたもので、今も多くの人に親しまれています。農山漁村の郷土料理百選の人気投票では、鶏飯が第2位になりました。

年越しは「ウワンフネ(豚骨)」で、正月には「三献/さんごん」を頂くほか、ソテツの実で作るナリ味噌、米とサツマイモが原料のミキ、色々な餅菓子等、奄美の味は多彩です。



■観光振興について■

大勢で観光名所を巡る団体旅行から、家族や友達と旅した土地の自然や歴史、文化などをゆっくりと楽しむ個人旅行へと旅のかたちが変化し、少人数のグループ旅が今日の旅の主流になってきました。

旅した土地の暮らしや生業に接することは、その土地を知り、そこに暮らす人たちと知り合う機会となり、その土地をさらに好きになることにつながります。私たちは、旅する人と旅先で出会う人たちのつながりが、観光による地域振興を生み出す原点になると考えています。 

■観光とまちづくりについて■

旅した土地で暮らす人と知り合い、その土地の魅力を感じる観光は、その土地に住む人の関わりがなければ、生み出すことができません。

旅する人が魅力を感じ快適に過ごせる場所は、そこで暮らす人たちにも住みやすく魅力的な場所であるともいわれます。

私たちは、旅する人が旅先の土地に親しむ「観光」と、そこに住む人たちが自分の住む場所の良さを知る「まちづくり」を結びつけ、より良い観光とまちづくりについて考え、その実現を目指します。


私たちは、地域の人の視点を持って、観光振興とまちづくりのお手伝いをいたします。